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海抜3,000mの北アルプス。
孤高の登山者を待ち受けていたのは?

CAST

井上 友之
永長 正美

撮影隊の脳裏には「絶望」の2文字が見え隠れしていました。

今回の短編を企画していく際に新井監督が考えていたのは「作品のどの部分にお金をかけるのか?」ということでした。そして監督が考えたアイデアの中から最もビジュアルインパクトがある企画を選んだのです。それがこの"Question"でした。「北アルプス」という従来の自主製作映画が手をつけていないロケ地でどんな映像を作るか、チャレンジしがいのあるテーマだと監督は考えたようです。1999年8月。お盆前の週末を利用して新宿発の夜行バス「さわやか信州」号に乗って撮影の旅が始まりました。撮影初日、僕らは「パノラマコース」という可愛らしい名前の登山ルートを選んだのですが、実はこのコース、別名「慶応尾根」と呼ばれる大変急な登りルートでした。そのせいで重いリュックを背負い、ビデオカメラを首から下げ、三脚を担いで登る僕は早くも疲れきってしまい、10分登っては休憩をとるという有り様でした。しかし、休んでばかりはいられないのです。なぜなら山の中には街灯はありませんから、太陽があるうちに、宿に辿りつかないと大変なことになってしまうからです。通常登山家は朝6時頃から登りはじめて、昼3時には宿泊予定地に到着する予定を組みます。しかし、その3時はとうに過ぎ、いくら登っても先の見えないパノラマコースを登り続ける撮影隊の脳裏には「絶望」の2文字が見え隠れしていました。僕は余りにも疲れてしまい、このまま野宿してしまいたいくらいでした。しかし、野宿なんてしたら、テントも寝袋も持ってきていない僕らが凍え死ぬことは間違いない状況。なぜなら、ここは日本の山々の中でも指折りの標高を誇る穂高なのですから。…そして、徐々に太陽が隠れ、辺りが薄暗くなってきたその時、ようやく目指す宿泊地「涸沢小屋」の灯りが遠くに見えてきました。既に時計は午後6時を回っていましたが、この時の嬉しさは今でも忘れられません。さて撮影からしばらく時が流れ、2000年8月になってようやく作品が完成しました。監督は編集で、全編を通して使っている音楽、そして字幕にこだわっていました。その努力の甲斐あって、監督作品の仕上がりには満足しているようです。
僕と二人で酒を飲むと、『"Question"で、世界の映画祭に出品して「新井澄司」の名前を広めたいんだ』と熱く語ってくれます。最後になりますが、製作に協力してくれた新井組のメンバー、そして翻訳の道広さん、音楽に力を貸してくれた山野井くんどうもありがとう!それでは、次は「カンヌ」でお会いしましょう!(笑)

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